県民500人アンケート(上) 速度・安全性「必要」6割~山形にフル規格新幹線を|山形新聞

山形にフル規格新幹線を

県民500人アンケート(上) 速度・安全性「必要」6割

2017/10/6 15:38

 山形新幹線のフル規格化の実現に向け、紙面でキャンペーンを展開している山形新聞は県民500人を対象に、フル規格化実現の賛否などに関してアンケートした。10~80代の男女からフル規格化の必要性や現状のミニ新幹線方式に対する不満点を対面方式で聞き取りした結果、「フル規格が必要」との意見は約6割の59.8%で、「不要」との意見は25%だった。年齢別で見ると、最もフル規格の必要性を認識しているのは20代で、71%に上った。

 フル規格化が必要とする理由で最も多かったのが「スピードアップが図られる」だった。現在は東京―福島間はフル規格新幹線と同じ最速275キロのスピードを出しているが、福島―新庄間は最高でも130キロと半減以下となり、利用者にとって最大のストレス要因となっている。山形市の団体職員女性(29)は「全域で東北新幹線並みの速度が欲しい」と訴えた。

 「東京―仙台間は1時間台で着くのに…」。こう、話すのは山形市の会社員男性(25)。東京―山形間は最速で2時間20分台だ。東京からの距離がほぼ同じなのに、所要時間が大きく違う状況に不公平感をにじませる。村山市の会社員男性(34)も「東京―仙台間との所要時間差があり過ぎる」と訴える。

 ほかにフル規格化を求める理由では「小さい子どもを連れて3時間の乗車はきつい」=山形市の会社員女性(36)、「東北新幹線の機能強化が進む中、このままでは山形県は取り残されてしまう」=山形市の主婦(60)=など地方創生、観光振興の面から必要性を訴える声が多かった。さらに「雨や雪で運休が多過ぎるから」=上山市の獣医師男性(74)、「踏切事故防止」=山形市の会社員男性(57)=など防災、安全運行をフル規格化が必要な理由として挙げる意見も出た。

 一方で、3割弱に上ったフル規格化は必要ないとする理由で多かったのは「現状で満足」と「整備費用がかかり過ぎる」だった。

 米沢市の無職男性(67)は「人口が減り続けており、今後見込まれる乗客数を考慮するとフル規格までの整備は必要か」と話す。庄内町の農林水産業女性(62)は「将来の財政負担が心配だから」と語った。

 反対を主張する人の中には「山形新幹線を機能強化する必要がある」としながらも、「フル規格でない手法も講じるべきでは」との意見もあった。山形市の無職女性(38)は「ミニ新幹線のまま速度アップと料金値下げができるなら、フル規格にする必要はない」と訴える。酒田市の無職男性(66)は「(在来線区間を時速200キロで運行する)中速鉄道の実現を望む」と展望した。

 飛行機と鉄道の機能分担で対応するべきではとの声も。山形市の会社員男性(25)は「県内には東京便も運行している。何十年も先になる事業に税金を使う必要はない」と述べた。

 「費用負担」や「現状で満足」との理由以外で反対を述べた人もいた。長井市の公務員男性(41)は「フル規格となれば東北、上越両新幹線のように全線高架橋で整備されることが考えられる。観光資源となっている田園風景が損なわれる」と懸念を示した。

 【メモ】山形新聞は本社、県内全支社管内で、県民ら500人を対象に対面形式でアンケートした。「山形新幹線のフル規格化は必要かどうか」の問いに対し(1)必要(2)どちらかといえば必要(3)不要(4)どちらかといえば不要(5)どちらとも言えない―の中から選んでもらった。このほか、山形新幹線の機能改善が必要な項目として(1)速度、所要時間(2)乗り心地(3)料金(値下げ)(4)運行本数(増発)(5)荒天時の運休減(6)特にない(7)その他―の中から選択してもらった。現在の山形新幹線に対する満足度も5段階で評価してもらった。男性255人、女性245人が回答した。

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