日中、拘束邦人早期解放で平行線 外相会談、首脳対話は継続

4/2 19:08
 中国外交担当トップの王毅共産党政治局員(右)と握手する林外相=2日、北京の釣魚台迎賓館(共同)

 【北京共同】林芳正外相は2日、中国・北京で秦剛国務委員兼外相と会談した。アステラス製薬の日本人男性幹部拘束に抗議し早期解放を強く要求。秦氏は「法に基づき処理する」と強調し、双方の主張は平行線に終わった。林氏は、日本周辺での中国とロシアの連携など軍事活動活発化に深刻な懸念を伝えた。両氏は、首脳を含めあらゆるレベルで緊密に意思疎通を継続する方針で一致した。林氏は習近平国家主席の側近で3月に就任した李強首相とも面会した。

 日本の閣僚による新首相面会は初めて。林氏は中国外交担当トップの王毅共産党政治局員とも会談した。昨年11月の日中首脳会談を受け、閣僚間などの対話は進展したが、スパイ容疑で拘束された邦人男性を巡る問題や、沖縄県・尖閣諸島を含む日中の安全保障に関する対立は残った。

 両外相の対面会談は初めて。林氏は、透明で公平なビジネス環境の確保と安全な経済活動の保障を強く求めた。海外企業への技術移転強制に対する強い懸念も伝えた。

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 中国外交担当トップの王毅共産党政治局員(右)と握手する林外相=2日、北京の釣魚台迎賓館(共同)
 中国の秦剛国務委員兼外相(右端)と会談する林外相(左端)=2日、北京の釣魚台迎賓館(共同)
 北京に到着し、日本大使館に入る林外相=1日(共同)
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