県民500人アンケート(下) 時間的な自由度、もっと~山形にフル規格新幹線を|山形新聞

山形にフル規格新幹線を

県民500人アンケート(下) 時間的な自由度、もっと

2017/10/8 16:00

 山形新幹線フル規格化への賛否の背景には何があるのか。山形新聞が行った「県民500人アンケート」は現状に対する評価も尋ねた。これまでに取材班が注目した▽速度▽乗り心地▽料金▽本数―の4項目について満足度を5段階で問うと、「速度」「本数」に対する不満の強さが浮かび上がった。現状に対し、時間的な制約を感じていることがうかがえ、その傾向は利用頻度に応じて強まった。

 アンケート結果には、フル規格化の賛否と、利用頻度の関係が顕著に表れた。「(フル規格化は)必要」「どちらかといえば必要」と答えた人は毎週または毎月利用する人の85.4%、年数回程度の利用者の61.6%に上り、「不要」「どちらかといえば不要」を大きく上回った。

 速度の満足度を見ると、「不満・やや不満」と答えた人は44.9%で、「満足・やや満足」(36.5%)を約10ポイント上回った。この回答を利用頻度別に見ると、毎週・毎月使う人の63.4%、年数回使う人の52.0%が不満寄りの回答で、乗車機会が多いほど、所要時間を煩わしく感じていることがうかがえる。

 速度に関する意見は自由記述にも多く寄せられた。「主にレジャー目的なので急ぐわけでもない」=山形市、会社員女性(29)=という声がある一方、「気軽に旅行できない」=同、無職女性(76)、「新幹線に乗っている時間が長くて無駄」=同、会社員女性(37)=という指摘があった。

 特に「東京―福島間と福島―山形間の時間が同じで不満」=山形市、学生男性(22)=など福島―山形間の所要時間に関する不満が目立つ。「速くならないなら全車両Wi―Fi、コンセント完備にするなど車両環境をよくしてほしい」=同市、会社員男性(56)=という要望もあった。

 「本数」は満足・やや満足が30.6%、不満・やや不満は36.1%、どちらとも言えないが33.3%だった。評価が割れているが、これも利用頻度別に見ると、毎週・毎月使う人の51.2%が不満寄りの回答をしていることが分かる。

 「時間を気にせず、いろんな場所に行けるようにしてほしい」=山形市、アルバイト男性(25)=など、自由記述では「速度」と同じく、時間的な自由度を求める様子がうかがえる。「終電がもっと遅ければいい」=真室川町、自営業男性(69)=など、東京発下りの最終が午後8時台ということへの不満も目立った。

 「料金」は満足・やや満足23.0%、不満・やや不満29.2%に対し、どちらとも言えないが47.7%と突出した。利用頻度別に見ても傾向は大きく変わらなかった。

 機能強化・改善要望の設問で「料金」を挙げたのは180人で、「速度」の244人に次いで多い。自由記述には「(フル規格化は)料金や所要時間の面で今より良くなると思う」=山形市、会社員女性(23)、「料金は安い方がいい」=上山市、無職女性(72)=という意見など料金の改善も望んでいるものの、速度など機能強化への期待が上回っているとうかがえる。

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