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国会前庭(下) 震災で標高基準沈下

2015/4/19 09:10
北地区の日本水準原点標庫。「測量の日」を記念し、内部の水晶板が公開される

 国会前庭の北地区に石造りの大きな無人施設がある。観光客らが見上げる約4.5メートルの高さ。国土地理院が管理する日本水準原点標庫で、閑静な庭園で異彩を放つ。

 東京湾の平均潮位観測を基に、日本国内の統一された標高を決定する基準として、1891(明治24)年に設置された。固い地盤上に基礎と近代洋風建築物を造り、内部には目盛りを刻んだ水晶板がはめ込まれた。

 原点(目盛りの0)は当時、東京湾の海面上24.500メートルの高さだったが、1923(大正12)年の関東大震災の地殻変動で86ミリ沈下、2011年の東日本大震災でさらに24ミリ沈み、現在は海面上24.390メートル。

 地図を見ると、水準原点の直下を地下鉄有楽町線が走っている。東京メトロによると、この地点でレール面の深さは地下約20メートル。頻繁に通過する電車の振動が原点保存に影響しないのだろうか。

 国土地理院関東地方測量部は「地下約10メートルの岩石層の上に、コンクリートの基礎が乗っている。その下を電車が走っているのであれば問題ない」との見解を示す。

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