やましん住宅展示場/ハウジングプラザ平清水/家づくりコラム【家識(いえしき)】

家づくりコラム家識

(30)「暑さ厳しい夏を爽やかに過ごすひと工夫!」

アジサイに水をかける女性のイラスト

一段と暑さが厳しそうな今年の夏。リモートワークや夏休み、家で過ごす時間が増える中、電力不足も心配されており、エアコンに頼りっぱなしでは体にも環境にも優しいとは言えません。そこで、今回は実際に体感温度を下げる方法から意外に効果のある心理作戦まで、マイホームに涼を呼ぶ、ちょっとした工夫の数々をご紹介します。

1.日本人の知恵で涼む、日本の夏

まずは、窓の日除け対策。軒先などにつるして使用する簾(すだれ)や立てかけて使用する葦簾(よしず)には、日光を遮断しながら風を通す効果があり、見た目にも涼やか。水をかけて使用すると室内に入る風の温度はさらに下がって効果的です。

そして、自宅の前の道や庭に水をまいて涼を呼ぶ昔ながらの「打ち水」の効果にも注目。撒いた水が蒸発することで空気中の熱を奪って気温を下げるということで地球温暖化対策の一環としても見直されています。お風呂の残り湯などを活用して朝夕の涼しい時間帯に行うのがベスト。植物への水やりと同じタイミングで打ち水をしてみてはいかがでしょうか。

また、室内のラグやマットをい草の花ゴザや置き畳に替えるだけでも涼感アップ。い草は、夏の不快感の要因の一つである湿気を吸収してくれるので高温多湿な日本の夏にぴったりの素材なのです。

2.グリーンカーテンで涼む、楽しむ

簾や葦簾と同じように窓の日除け対策として有効なのが、最近よく目にするようになったグリーンカーテン。窓辺やベランダで植物を育てることで葉が日差しをやわらげて室内の温度の上昇を抑えるとともに、植物の蒸散作用により葉の周りの温度が下がります。ゴーヤやキュウリ、ヘチマやひょうたんなどの葉が大きくて実のなる植物、朝顔や夕顔、フウセンカズラなどの花が咲く植物がおすすめです。涼を呼ぶだけではなく、実を食べたり、可憐な花を愛でたり、そんな楽しみもあります。

もし、グリーンカーテンが難しい場合には玄関回りや室内に観葉植物を置くだけでも植物の蒸散作用が期待できますし、緑によって心が安らいで気分的にも暑さを和らげてくれます。

3.エアコンと扇風機の併用で快適に節電

下に溜まりやすいエアコンの冷気を扇風機で空気を循環させることで設定温度を1~2℃上げても快適な室温を実現することができます。でも、エアコンと扇風機のダブル使いは不経済と思っていませんか。一般的に、エアコンの設定温度を1度上げると10%ほど節電になると言われていますから電気代の節約にもつながり、むしろ経済的。エアコンの風向きを水平かスイングに設定し、扇風機は下から上へ空気を送るように上向きに設置しましょう。扇風機の風が冷たい空気を室内に行き渡らせてくれます。

また、外出から帰って室内がモワッと暑いとすぐにエアコンのスイッチを入れたくなりますが、その前に窓を開けて換気をして昼間こもった熱を逃しましょう。換気だけでは追いつかない場合、ここでも扇風機がお役に立ちます。できるだけ高い位置で首振りにして使うと天井付近にこもった熱気を効率的に逃してくれます。

4.視覚&心理的効果でクールダウン

実際の室温は変わらなくても「涼しげ」を演出することで爽快感は得られるものです。例えば、寒色系は暖色系に比べて感覚的に涼しく感じさせる効果があります。カーテンやソファカバー、座布団カバーなど、比較的手軽に交換できるものを青系統の色にチェンジしてみてはいかがでしょう。さらに、花瓶を陶器からガラス製に代えるなど、インテリアにガラス素材のものを取り入れるだけでも涼しげな印象になります。また、私たちは音色でも涼しさを感じることができます。「チリンチリン」とやさしい音を奏でる風鈴やおしゃれな貝殻のウインドウチャイムなどは、その音色を聞くだけで爽やかな気分になれる夏の風物詩です。

<まとめ>

実際に、室温や体感温度を下げる対策から心理的に涼を呼ぶ工夫まで、暑い夏を乗り切る手法はさまざま。洋風住宅には簾の代わりにオーニング(テント生地の日除け)を用いてカフェ風にオシャレに日差しを遮るなど、住宅の外観や間取り、家族の趣味嗜好に合わせることも大切ですね。ご家族でアイデアを出し合って、この夏を楽しく元気に過ごしましょう。