昔、あるどごさ左のほっぺださ大きこぶあるじいさんいで、とっても困っていだけどの。ある時、隣村の人から「おら方の地蔵様さ(※)夜ごもりするどいいごどある」て聞いで、じいさん、晩げなってがら地蔵様さ行ったけど。よぐ拝んでがら堂のすみっこで夜ごもりしていだけどや。
夜中ごろなったば「おう、おう」て、赤鬼、青鬼(※)えっぺ入ってきて酒のみながら踊り始めだけど。じいさん、見でいるうぢ踊りだくなって鬼達といっしょ「(※)おんどれや、おんどれや」て踊っているうぢ、朝まなってしまったけど。鬼達「じんじ、うまいさげまたこいよ。この次までこぶ預がっておぐ」て、スポンと取ってしまったけど。
じいさん、どんどど家さ帰ってばあさんと喜んでいだば、隣の(※)欲たがりばあさんやってきてびっくりしたけどや。こぶとらえた訳聞くと「おらえのじんじのこぶも取ってもらおう」て家さ帰って、じいさんを地蔵様さむりむりやったけど。
隣のじいさん夜ごもりしていだば、また鬼達きて踊り始めだけどや。じいさん、いっしょに踊ったどもへたくそだったさげ、鬼達「へただじんじだ。この前のこぶ返してやろ」てパチンとくっつけらえで、こぶ2つなって泣きながら家さ帰ったけどや。
トンピンカラリネッケド。