昔、昔、博打して貧乏なった男、暮らし困って仲間の博打打ぢさ相談行ったけど。その仲間がら「んだば、お前、天がら降ってきた(※)仁王様さ化げで賽銭やお供え物とりしてみれ。俺、触れ出して人集めしっさげ」て言われで、そうするごどしたけど。
その仲間「天がら降ってきだ仁王様鎮座していっさげお参り来てくれ」て触れで回ったけど。したば参詣人ぞろぞろ集まってきて、仁王様さ賽銭や供え物あげでいぐけど。2人して夕方、あがった物集めで、だんだん金持ぢなってきたけどや。
ある日、1組の参詣人達お参りしてがら、仁王様の脇の方で酒飲み始めだけどや。その中の一人、「仁王様さも少し飲ませろで」て、仁王様の口元さ杯出したけど。仁王様がまんでぎなぐなって「スウッ」と飲んでしまったけど。
したばまわりがら「これだばおがしいのう。偽者でねが」て声して、一人が「よし、俺ためしに(※)こちょばしてみるがの」て仁王様の脇の下さ手入れで「コチョコチョ」てしたば、仁王様がまんしていだども、とうとうがまんでぎなぐなって「アッハァハァー」て笑ってしまったけど。
したば参詣人達大騒ぎして「これはやっぱり偽者のどろぼうだ。やっつけれ」でかがってきたけど。偽の仁王様必死なって逃げだども、ついに(※)しめらえで、さんざんの目あったけど。
トンピンカラリネッケド。