インフルエンザ、徐々に増加 新型コロナとの同時発生に警戒感

2023/1/25 08:35

 県内で新型コロナウイルス感染者数が減少傾向になっている。一方、インフルエンザは3季ぶりの流行期に入り、患者数が徐々に増えてきた。医療専門家は、新型コロナ感染がくすぶる中でインフルエンザの流行が拡大する事態もあり得るとし、換気やマスク着用といった共通する対策を徹底するよう改めて呼びかけている。

 本県は昨年10月中旬に、新型コロナの第8波に入った。一日当たりの感染者数が2千人超に上るなど、11月下旬から12月初旬にかけてピークとなったが、その後は減少局面となった。年末年始の人流増加などによる再拡大が懸念されたが、感染の波は下降を続けている。オミクロン株対応ワクチンの接種や、感染により免疫を持つ人が増えたためとの見方がある。

 インフルエンザの患者数は増加している。今年第2週(9~15日)の患者報告数は、1定点医療機関当たり1.50人となり、流行の目安の1.00人を超えた。学校や保育所での集団発生は、20日までに6件が確認されている。

 同時流行の不安が高まる中、世界22カ国について調べた東京大などの研究チームは今月、新型コロナとインフルエンザが同時期に同じ地域、同じ規模では流行していないとの調査結果を公表した。しかし、国内では同じ人が新型コロナとインフルエンザに同時に感染したケースが確認されており、油断は禁物だ。

 阿彦忠之県医療統括監は県内について、新型コロナ感染者数が一日当たり3桁台と流行の波が下がりきっていない状況で、インフルエンザが増加傾向に入っていると分析している。同時に大流行する水準には至らなくとも、どちらも一定の患者数が生じる「同時発生」の事態になることは十分考えられるとする。

 小児のインフルエンザはもともと重症化しやすく、一度も流行期を経験していない3歳未満児は特に注意が必要だとも指摘する。新型コロナとインフルエンザは感染経路などが共通していることから、阿彦統括監は「マスクの適切な着用や換気を心がけてほしい」とし、基本的な対策を続けるよう訴えている。

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