酒田市沖での洋上風力発電の導入について、地元の関係者が協議する検討会議の第3回会合が24日、同市の酒田産業会館で開かれ、県は同市沿岸の共同漁業権漁場となっている区域を、想定海域とする案を示した。県は本年度内に酒田沖での想定海域と地元の意見をまとめ、国に情報提供する方針。順調に協議や手続きが進めば、遊佐沖に続き酒田沖も「有望な区域」に入る可能性がある。
想定海域案は船舶通航量や酒田港の港湾区域、庄内空港の航空制限区域などとともに、海域を利用している漁業者の意見を基に設定した。北側は事業化の取り組みが先行する遊佐沖の想定海域と接続し、南側は酒田・鶴岡の市境までの南北約22キロ、沖合方向は水深40~49メートルまでの4~5キロで、大型の船の航行もある港湾エリアの防波堤内を除いた「海共第2号」の共同漁業権漁場となっている。
想定海域について漁業者は「想定海域はあらかじめ広くし、漁業に負荷が少ない区域で了承した。もっと沖合にできないのかとの意見もあるかもしれないが、より沖合に広げれば利害関係者が増え、調整が難しく現実的ではない」などと述べた。今後、3月までにより現実的な想定海域を検討する。
事業可能性や環境影響評価の調査乱立を防ぐため、政府と自治体が初期段階から関与する「日本版セントラル方式」による調査について、新エネルギー・産業技術総合研究開発機構(NEDO)の担当者が説明した。▽風況▽海底地盤▽気象海象▽環境影響評価関連▽漁業実態▽導入可能性(ポテンシャル)試算―の6項目を想定区域内で調べた。水深は15メートル未満が9%、30メートル未満が43%、45メートル未満は97%、最深部は49メートルだった。岩盤露出部はなく、全般的に海底は砂地となっていた。調査結果は今後、まとめる。漁業振興策の検討も進め、4回目の会合は来月下旬~3月上中旬に開催する予定だ。
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