マイクロプラスチックなどによる海や河川の環境汚染を解決しようと、寒河江工高(渡辺晃校長)の3年生3人がごみ回収ロボットを製作した。先輩の活動を受け継ぎ、動きながら水面に浮かぶごみを集める仕組みに改良した。
課題研究の授業で海洋ごみに興味を抱いた、いずれも情報技術科3年の石山航至(わたる)さん(18)、井上陽暉(はるき)さん(18)、佐藤由夢(ゆうむ)さん(18)が製作に当たった。昨年度の3年生は砂浜、岩場、水面、水中の4カ所のごみを回収できるロボット4種類を開発した。3人は水面用のロボットに着目し、改良を進めた。
ペットボトルをいかだのようにつなぎ、脇に取り付けた網で水面に浮かぶごみをすくう仕組みだ。改良前のロボットはモーターを水中に沈めてスクリューで進む方法だったが、水や砂が入り動かなくなった。3人はプラスチックのケースに入れた基板を機体の上部に置き、3Dプリンターで作った水車型の部品を取り付けて進む手法を考案した。横波に耐えられるよう方向舵(だ)も付けた。
近所のプールや沼などで4回ほど実証実験を行い、調整して昨年7月に完成した。思い通りに水面を進むロボットを見て「感動した」という。
石山さんは「限られた費用で最大限に工夫できた」と話し、井上さんは「海洋ごみの問題に、さらに関心を持った」、佐藤さんは「3年間学んだ技術を生かせた」と語った。一度に回収できるごみの量が少ないなど、改善の余地はあるという。3人は「後輩たちには、さらに改良を加え、問題解決につながる研究をしてほしい」と期待を寄せた。
|
|