大久保硝子(がらす)店(山形市、大久保章宏社長)が県内ものづくり企業とコラボして新商品を生み出し、世界に向けて販売する「HANDSHAKES(ハンドシェイクス)」プロジェクトを始めた。第1弾として新庄東山焼(新庄市)とタッグを組み、陶器とガラスを組み合わせた円形水槽の「TANK(タンク)」を商品化した。26日から専用オンラインストアで販売する。
1919(大正8)年創業の大久保硝子店は卸売業を手がけ、2019年からBtoC(企業と消費者の取引)に取り組む。20年には製造分野に進出しようと、モノづくり事業部を設置した。「山形でしか作れず、世界に通用する商品を作りたい」と、同プロジェクトを始めた。その中で1841(天保12)年創業の新庄東山焼と出会い、両社の強みを掛け合わせてTANKが生まれた。
一つ一つ違う焼き物の形に合わせてガラスを加工し、前面に貼り付けている。老舗企業2社が積み上げた高レベルな加工技術のなせる技だ。ガラスの美しさと陶器の色合い、風味が特徴で、老舗の伝統を感じる和モダンなデザインになり、従来の水槽とは一線を画するビジュアルだ。
蔵王連峰の象徴を連想した白い「樹氷」、新庄東山焼の特徴の青い「漣(さざなみ)」、夜空に輝く月をイメージした黒い「満月」の3色を用意した。サイズは3パターンあり、価格は2万6千~3万5千円。グッピー園(山形市)と連携し、魚、水草、砂利、餌などがセットになったスターターキット(7千円から)もある。
収益金は地球環境保護に役立てる計画で、大工とコラボした第2弾の構想もある。プロジェクトを発案した大久保徳朗副社長は「TANKにはのぞき込む楽しさがある。利益は地元に還元し、山形の教育、価値向上に役立ちたい」と話す。問い合わせは同社023(642)1822。
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