大衡「村じまん」、特産せんべい共同開発 尚絅学院大・松田教授(山形市出身)ゼミ

2023/1/27 10:31
3年がかりで完成した「村じまん」

 尚絅学院大(宮城県名取市)の松田道雄教授(61)=山形市出身=のゼミが商品開発に携わった宮城県大衡村の米菓会社「加賀屋」が、同県の「食材王国みやぎ」推進優良活動表彰の特別賞に輝き、26日に表彰を受けた。産学官の取り組みが先導的な地産地消活動として評価された。

 トヨタなどの企業立地が進む大衡村。「出張土産にふさわしい地場産品を」と、村と尚絅学院大が加賀屋に持ち掛け、3年越しで「村じまん」を商品化した。村産ひとめぼれの飯米を使い、しょうゆ、のりも県産にこだわり手焼きで仕上げた。味やパッケージにはゼミ生の意見も生かした。

 同社は千葉県四街道市で創業、1973(昭和48)年に古里へ移った桜井信治社長(82)は「学生や役場の人と試食や打ち合わせを重ね、目指す味が出せた」と控えめながら胸を張る。「地元産品がない中で地域の頑張りがみられる」と審査員から講評を受けた。

 せんべい作りは人づくりにもつながった。ゼミ生の三塚裕貴さん(23)=同県栗原市出身=は昨春入社した。桜井社長から後継者難の話を聞き、就職を勧めたのが松田教授だった。三塚さんは「村おこしにかける社長の熱意を感じ、自分も携わりたいと思った。後継者の道は遠いけど、人として足りないところが見えてきた」と話した。

 表彰式には桜井社長と松田教授、三塚さんが出席し、村井嘉浩知事から表彰状が贈られた。松田教授は「村の情報発信のための特産品作りから後継者確保、地域おこしにつながるいい取り組みになった」と振り返った。

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