サクランボの発芽期を迎え、生産者は凍霜害への警戒を強めている。今年は気温が高く、生育が平年より早まる見込み。特に今年本格デビューする大玉新品種「やまがた紅王」は発芽が進んでおり、被害に遭いやすい危険段階に入りつつある。県は果樹全体の凍霜害被害が100億円を超えた2021年と似た気象傾向だとし、早めの備えを呼びかけている。
県や山形地方気象台によると、県内は北からの寒気の影響を受けにくいため、5月までの平均気温は高くなる見通し。21年も3月は記録的な高温となり、生育が進んだ4月に広範囲で凍霜害が発生した。サクランボの収穫量は平年比約3割減の9160トンまで落ち込み、果樹全体の被害額は約129億円に上った。
サクランボは降霜などで雌しべが凍って枯死すると実を付けなくなる。降霜は3月下旬~4月上旬に多く、この時期に雌しべの長さが2ミリを超えると被害を受けやすい。県園芸農業研究所(寒河江市)では16日現在、「佐藤錦」が1.11ミリ、「紅秀峰」が1.26ミリで、「やまがた紅王」は1.61ミリと他品種より成長が進んでいる。
今年の「紅王」の出荷量は約20トンを見込むが、凍霜害で収穫量が減少すれば、本県のブランド力に影響を及ぼす恐れがある。県は被害防止に向け、17日、対策会議を開き、「紅王」の生産者約2700人全員への注意喚起を徹底することなどを確認した。
「紅王」などを育てる土田繁春さん(67)=寒河江市上河原=は、21年の苦い記憶が残る。花芽に水をまき表面を凍らせることで内部の過度な温度低下を防ぐ「散水氷結法」を導入しており、今月下旬までに環境を整える。「雌しべの成長速度はまだ読めないが、霜対策は万全にしている」と準備に余念がない。
沼部敏弘さん(48)=南陽市鍋田=の園地では、15日に「紅王」が発芽し、日ごとに芽が大きくなっている。別の園地には散水氷結法を導入しているが、「紅王」の園地では対策は取っておらず、今後ヒーターを購入し設置することを検討している。「本格デビューの今年は多く出荷できるよう、気候の状況を注視したい」と気を引き締めた。
|
|
注目! #街なかメタベース #高校野球 #異変-生態系クライシス第3部 #ゼレンスキー大統領会見詳報 #最上川200キロを歩く #モーニング野球 #モンテ #新型コロナ #U-39紙上歌会 #WINNER