野球の国・地域別対抗戦、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表「侍ジャパン」が、14年ぶりに頂点に立った。日本時間22日の米国との決勝は出場機会こそなかった阪神の中野拓夢選手(日大山形高出)だが、県内の友人は「世界一」を喜んだ。テレビ観戦した人々は歓喜に沸き、家族や中高当時の指導者は26歳の有望選手に「経験をさらなる成長につなげて」と期待した。
「あの舞台に拓夢が立ったことがうれしい。現実じゃないような」。日本が3大会ぶりの優勝を果たした光景をテレビで見て、友人がそのチームの一員であることに鈴木雄大さん(26)=消防士、山形市東山形2丁目=は感慨深げに語った。
山形リトルシニア、日大山形高と計6年間、一緒にプレーした。中学時代は小柄で強い打球を飛ばせなかった中野選手が、バントと流し打ちの練習に明け暮れた姿を覚えている。バットを短く持ち懸命に振り続けたことで「グリップエンドがぶつかり、右腕にはあざができるほどだった」。野球に純粋で、黙々と努力する真摯(しんし)さが、日本代表に上り詰めた原動力と信じる。
中野選手は高校時代は主将。「寡黙で、背中で仲間を引っ張るタイプだった」と鈴木さん。高い守備能力でチームを支えてくれた一方で「普段はいたずら好きだった」と振り返る。マイアミでの歓喜のシャンパンファイトで、大谷翔平選手(エンゼルス)らの背中に氷を入れる場面に「変わらないなあ」と感じた。
プロ入りしても、オフシーズンに帰省し仲間で集まれば、中野選手はにこにこしながら思い出話に花を咲かせる。話す内容はもっぱら野球といい「偉ぶらず昔から知る拓夢がそこにいるのでうれしくなる。僕はつっこまれ役ですけど…」と鈴木さんは明かした。
WBC優勝チームの一員であることに、「努力すれば夢がかなうことを多くの人に示してくれたと思う」と感謝を語り、「自分も頑張らなければ」と刺激を受けた様子。今季のペナントレース開幕も間近に迫る。「WBCからすぐで準備は大変だろうけど、今季も拓夢らしいプレーを見せてほしい」。心からのエールを送った。
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