世界最大規模のワイン品評会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2023」の審査結果が公表された。本県から、高畠ワイナリー(高畠町)の白ワイン「2021高畠ワイナリー レ・トロワ・シゾー・ド・オオウラ・エン カミワダ・シャルドネ」が、日本のワイナリーで唯一、最高位に次ぐ金賞を獲得した。
同ワインはこれまでも数々の賞を受け、今回の2021年産も審査で95点という高得点を得た。同町上和田地区のブドウ農家が栽培したシャルドネを使用。木を植え直したばかりだったが、熟度は高く、糖度は24度を超え、濃密で濃厚な味わいだった。
同社の技術を結集し醸造した結果、樽のトースト香や高糖度なブドウ特有のハチミツ香を感じ、凝縮感と重厚感のある味わいに。コク、酸味も楽しめるワインに仕上がった。現在販売しているのは20年産で、金賞に輝いた21年産は発売時期未定(7月以降)。
同社は20年からIWCに挑戦し、毎年、金賞ワインをテイスティングして研究を重ねた努力が結実した。村上健社長はブドウ農家に感謝し、「高畠町は質、量とも日本一のシャルドネの町。その中でも特に秀でたブドウで造った本格的な白ワインで受賞し、大変うれしい」と喜んだ。その上で「今回の受賞で『山形ワイン』が有望な産地として評価が向上する事を願う」と語った。
同社からは他に「2021高畠バリックシャルドネ」と「2020高畠ラクロチュア上和田シャルドネ」が銀賞に選ばれ、銅賞に2銘柄、推奨ワインに7銘柄が入った。IWCは1984(昭和59)年から英ロンドンで開かれている。出品数は非公開だが、毎年9千銘柄以上の出品があるとされる。日本から今回出品されたワインは金賞に1銘柄、銀賞に20銘柄、銅賞に37銘柄が選ばれた。
日本酒部門・2銘柄が山形トロフィー、金賞は4銘柄
IWC日本酒部門の審査結果も公表され、本県からは大吟醸酒の部で東北銘醸(酒田市)の「初孫大吟醸斗瓶(とびん)囲ひ」、純米大吟醸酒の部で楯の川酒造(同)醸造の「百光別誂(びゃっこうべつあつらえ)」がそれぞれ最高位に次ぐ山形トロフィーに入った。この他、4銘柄が金賞に選ばれた。
初孫大吟醸斗瓶囲ひは日本最高峰とされる酒米「山田錦」を精米歩合35%まで磨き、手造りで醸した。華麗な吟醸香と滑らかな舌触り、深みのあるうまさが特徴という。4合瓶(720ミリリットル)が5500円。
百光別誂は日本酒ブランド「SAKE HUNDRED(サケハンドレッド)」を象徴する酒。兵庫県産の「山田錦」を使い、楯の川酒造が醸造した。精米歩合は18%で、新鮮な味わいが評価された。ネットを中心に販売し、4合瓶で2万7500円。
酒蔵所在地名を冠した地域トロフィーは、部門最高位のトロフィーに次ぐ評価を得た優秀な酒に贈られる。本県から金賞に入ったのは、純米大吟醸酒の部で出羽桜酒造(天童市)の「出羽桜雪女神」、東北銘醸の「初孫光輝2236」、大吟醸酒の部で米鶴酒造(高畠町)の「米鶴大吟醸巨匠」、古酒の部で出羽桜酒造の「出羽桜貴醸酒MATURED」。他に19銘柄が銀賞を得た。
今回の日本酒部門には9カテゴリーに計1601銘柄が出品された。4月24~27日にロンドンで審査が行われ、金賞に98銘柄、銀賞に344銘柄、銅賞に369銘柄が選ばれた。
山形市のやまぎん県民ホール前特設会場では3、4日に日本一美酒県山形フェアが開かれ、県産の日本酒やワインが一堂に集まる。IWCや金賞獲得数が全国1位だった全国新酒鑑評会で好結果を残したワイナリー、酒蔵のワイン、日本酒も出品される予定。
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