2023県内十大ニュース

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 山形新聞が選ぶ2023年の県内十大ニュースが決まった。1位は統一地方選と相次いだ首長選で、女性県議は最多となる6人が誕生した。2位は災害級の暑さで、熱中症の救急搬送者数は過去最多の1111人となり、熱中症の疑いで救急搬送された中学生が死亡した。猛暑は農作物にも大きな打撃を与えた。
 新型コロナウイルスの5類移行も大きな転換点となり、祭りや行事が通常開催されるなど日常を取り戻した。スポーツでは、プロ野球・阪神の中野拓夢選手(日大山形高出)が躍動し、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)世界一、プロ野球日本一に貢献した。

統一地方選、相次いだ首長選

今年は統一地方選があり、17選挙区の県議選、11市町村の首長選、32市町村議選(補選を含む)が行われた「選挙の年」だった。

 首長選のうち山形市は自民など幅広い支援の現職が3選を、上山市は自民の支援を受けた新人が初当選を果たした。一方で、新庄市、大石田町、米沢市は自民が推す候補が、吉村美栄子知事が支援に回った新人に敗れた。酒田市は初の無投票となった。

 全60選挙の中で無投票は23と3分の1を超えた。県議選の投票率は前回から3.36ポイント低下し戦後最低の50.96%と、全国7番目にとどまった。県議選の女性の当選者は過去最多の4人を更新し6人に。山形市区と酒田市・飽海郡区ではトップを飾った。

米沢市長選で激戦を制した近藤洋介氏(右)。統一地方選に加え、県内では首長選が相次いだ=11月26日、同市 米沢市長選で激戦を制した近藤洋介氏(右)。統一地方選に加え、県内では首長選が相次いだ=11月26日、同市

猛暑、熱中症搬送は最多1111人

県内の熱中症による救急搬送者数は1111人と過去最多を記録。米沢市では7月に熱中症疑いで搬送の女子中学生が死亡し、山形市の中学校では8月に体育祭練習中に集団搬送が発生した。猛暑は稲作や畜産にも影響を及ぼし、1等米比率は東北で最低だった。

熱中症の疑いで搬送された女子中学生が倒れていた現場。生徒は搬送後、死亡した=8月4日、米沢市口田沢 熱中症の疑いで搬送された女子中学生が倒れていた現場。生徒は搬送後、死亡した=8月4日、米沢市口田沢

鶴岡土砂崩れ、高齢夫婦死亡

鶴岡市西目で昨年末に土砂崩れが発生、現場から1月2日に高齢夫婦が見つかり、死亡が確認された。住宅など31棟が倒壊し、さらに斜面が崩れる危険があった。安全対策工事が行われる中、周辺の避難指示は11月28日に、道路の通行止めは12月22日に解除された。

土砂の中から高齢夫婦を捜す警察や消防=1月2日、鶴岡市西目 土砂の中から高齢夫婦を捜す警察や消防=1月2日、鶴岡市西目

中野選手(阪神・日大山形高出)が躍動

プロ野球・阪神の中野拓夢選手(日大山形高出)がワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一に貢献した。シーズンでは二塁手でフルイニング出場を果たし、リーグ優勝と日本一を達成。最多安打タイトルを獲得し、ゴールデングラブ賞も受賞した。

新型コロナ禍前の活気戻る

新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5月8日、季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行した。感染対策は個人や事業者の判断に委ねられ、8月には山形花笠まつりと新庄まつりが4年ぶりに通常開催されるなど、コロナ禍前の活気が戻った。

新型コロナウイルスが5類に移行し、4年ぶりに通常開催となった山形花笠まつり=8月5日、山形市 新型コロナウイルスが5類に移行し、4年ぶりに通常開催となった山形花笠まつり=8月5日、山形市
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新庄、米沢に地域医療の新拠点

移転改築された県立新庄病院=9月18日、新庄市金沢 移転改築された県立新庄病院=9月18日、新庄市金沢 一体的に整備され、連携を強める米沢市立病院と三友堂病院=10月19日、米沢市 一体的に整備され、連携を強める米沢市立病院と三友堂病院=10月19日、米沢市

 地域医療の新拠点が相次いでオープンした。県立新庄病院は地域救命救急センターや地上ヘリポートを新設するなど、最上地域の中核病院の機能を強化。米沢市では市立病院と民間の三友堂病院が施設を一体的に整備し、連携を強める全国初の取り組みが始動した。

寒河江市ふるさと納税汚職事件

ふるさと納税に関する書類などを押収する捜査員=2月7日、寒河江市役所 ふるさと納税に関する書類などを押収する捜査員=2月7日、寒河江市役所

 ふるさと納税を巡る県内初の贈収賄事件が発生。協力事業者への承認手続きで便宜を図った見返りに現金を受け取ったとして県警は2月、加重収賄容疑で寒河江市の元担当職員の男を、贈賄容疑で山形市の農産物加工販売業者の当時の役員2人をそれぞれ逮捕した。

遊佐沖、風力発電促進区域に

洋上風力発電の事業化の動きが加速している本県沖=10月11日、遊佐町 洋上風力発電の事業化の動きが加速している本県沖=10月11日、遊佐町

 洋上風力発電の事業化に向け、国土交通省と経済産業省は10月3日、本県の遊佐沖を、再エネ海域利用法に基づき、発電事業者選定などを進める最終段階の「促進区域」に指定した。酒田沖は、3段階手続きの2段階目の「有望な区域」となった。

クマ、イノシシの人的被害が多発

クマによる人的被害が相次いだ=7月7日、米沢市 クマによる人的被害が相次いだ=7月7日、米沢市

 野生生物による人身被害が相次いだ。1月に南陽市宮内で、買い物客ら男女3人がイノシシに襲われた。5月は小国町五味沢の山中でゼンマイ採りをしていた男性が、10月は大石田町鷹巣の林でキノコ採り中の男性が、それぞれクマに襲われて大けがをした。

10大神さん、国際バスケ殿堂入り

 バスケットボール女子の元日本代表主将でトヨタ自動車ヘッドコーチの大神雄子さん(山形市出身)が6月、国際連盟の殿堂入りを果たした。日本人3人目。米女子プロチームでもプレーした大神さんは表彰式で「代表監督になるという次の目標を共有したい」と語った。

次点加藤衆院議員が初入閣

 第2次岸田再改造内閣が9月13日に発足し、当選3回の加藤鮎子衆院議員(県3区)がこども政策担当相として初入閣した。「国家的課題」とされる少子化対策の司令塔を担う。少子化は地方がより深刻な状況にある。活躍を期待する声が相次いで寄せられた。

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