8大事業

8大事業

タイに訪問団派遣
直行便再開、誘客PR
第1回訪タイミッションで、県タイ友好協会代表者らがタイ国際航空幹部と面談し、仙台便復活への期待を伝えた=2019年、バンコク
第1回訪タイミッションで、県タイ友好協会代表者らがタイ国際航空幹部と面談し、仙台便復活への期待を伝えた=2019年、バンコク

 交流促進を目的としてタイに訪問団を派遣する。2019年2月に続く訪タイミッションを計画している県タイ友好協会(会長=寒河江浩二県経営者協会長、山形新聞社長・主筆)との共催となる。新型コロナウイルス禍でインバウンド(訪日客)は激減したが、仙台-バンコク直行便の早期再開を関係機関に訴えるとともに、本県への観光誘客を促すPR活動を繰り広げる。同協会にとっては設立5周年記念事業となる。

 19年の第1回訪タイミッションでは、首都バンコクで、タイ国際航空を訪問し、副社長と面談した。同航空は仙台-バンコク定期便を13年12月に開設したものの撤退した経緯があったが、この面談で、19年秋に復活を予定していた定期便を週3便運航することを明らかにした。その後、再開した同便を通じ、東南アジア周辺国を含めタイから東北、本県への訪日客は順調に増加したが、コロナ禍で止まっていた。

 今回の訪問は、直行便の早期再開を切望する本県、東北の声を現地の関係機関に伝えるほか、第1回ミッションで「最上川さくら回廊」海外版として桜の記念植樹を行ったチェンマイ再訪を予定する。時期は新型コロナの感染状況を見据えながら、23年11~12月を見込む。

遠藤彰子展―巨大画で挑む生命の叙事詩
深い物語性壮大な世界観
アトリエで撮影した作品と遠藤彰子さん
アトリエで撮影した作品と遠藤彰子さん

 武蔵野美術大名誉教授で二紀会理事の洋画家・遠藤彰子さん=相模原市在住=の個展「遠藤彰子展-巨大画で挑む生命の叙事詩」が7月14日~8月27日、山形市の山形美術館で開かれる。人間の存在や今生きている実感、光と闇といったテーマを追い求め、深い物語性を秘めた作品を制作。本展では初期から最新作までを網羅し、大作や立体など約80点を紹介する。

 遠藤さんは1947(昭和22)年東京生まれ。69年に武蔵野美術短大美術科油絵専攻を卒業。78年林武賞、86年安井賞、2007年芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。14年には女性画家として初の紫綬褒章を受章した。19、21の両年に県総合美術展(県美展)洋画部門の審査員を務めた。

 1989年から500号(333.3センチ×248.5センチ)を超える大作に取り組み、2000年以降は1000号、1500号の超大作も発表。圧倒的なスケールの作品群は高く評価されている。創作の起点となった「楽園」や画家として知られるようになった「街」シリーズ、大作群などを展示。変遷を追いながら、壮大な世界観を楽しめる。遠藤さんのギャラリートークや講演会なども企画している。

みどりのまなび 樹氷再生への歩みプロジェクト
稚樹植栽、未来へつなぐ
アオモリトドマツの稚樹を植え、樹氷再生への願いを新たにした親子=2022年10月、山形市・蔵王ロープウェイ地蔵山頂駅前
アオモリトドマツの稚樹を植え、樹氷再生への願いを新たにした親子=2022年10月、山形市・蔵王ロープウェイ地蔵山頂駅前

 山形市の蔵王山で樹氷を形成することで知られ、枯死被害が深刻なアオモリトドマツの再生を目指す「みどりのまなび 樹氷再生への歩みプロジェクト-やまがたの森ファミリースクール」は、3年目を迎える。官民による支援の輪は広がりつつある。今年も希望者を募って稚樹を植栽し、環境保全の大切さを学ぶ。

 アオモリトドマツは虫の食害で相次いで枯死し、標高約1600メートル地点の蔵王ロープウェイ地蔵山頂駅周辺は枯死木のみとなっている。林野庁山形森林管理署や県は、被害が少ないエリアで自生する稚樹を山頂駅周辺に移植する試験を展開し、国の研究機関も調査研究に乗り出している。

 現地では「みどりのまなびプロジェクト」での移植を含め、これまでに100本超の稚樹を植えてきた。一部は枯死したものの生育はおおむね順調で、関係者は樹氷再生の一手として、手応えを感じている。

 今年も現地を訪れて移植用の稚樹を探し、移植作業に挑戦する。枯死被害の現状について理解を深め、トレッキングなどを通じて本県の豊かな自然と触れ合う。環境の変化と保全の重要性を見詰め、樹氷を未来へとつないでいく。

最上川さくら回廊
植樹通し郷土愛育む
参加者が思いを託し、苗木を植えた「最上川さくら回廊」。桜を通じて絆を強めている=2022年10月、河北町
参加者が思いを託し、苗木を植えた「最上川さくら回廊」。桜を通じて絆を強めている=2022年10月、河北町

 「最上川さくら回廊」は母なる川・最上川流域を桜並木でいっぱいにし、郷土愛の醸成と自然を大切にする心を育むことを目的とする。山形新聞、山形放送の提唱で1996年にスタートし、海外版も含め延べ194カ所に5571本の桜の苗木を植えている。

 国土交通省や県、やまがた森林と緑の推進機構、各市町村の協力で展開する。昨年は河北、新庄、鶴岡、長井、鮭川の5市町村に加え、東日本大震災で被災した宮城県東松島市では「復興祈念 絆のさくら」として、計85本を植えた。

 桜を通じ、県内全35市町村と東松島市のほか、近年は海を越えて絆を結んできた。2012年に台湾台北市、17年に中国江蘇省無錫市、18年に台湾宜蘭県とブラジル・サンパウロ市、19年にタイ・チェンマイ県と駐日タイ大使公邸(東京)で植栽した。

 23年は10月開催を軸に、県内5カ所と東松島市での実施に向けた準備を進めている。植樹希望者を募り、選ばれたグループにそれぞれの名前を刻んだ記念プレートを贈る。家族の健康や仲間との友情など、さまざまな思いを託して苗木に取り付け、末永く桜の成長を見守ってもらう。

最上川200キロを歩く
学んで守る母なる川
最上川沿いを探検する「最上川200キロを歩く 小学生探検リレー」。河口付近にゴールする児童たち=2022年7月、酒田市
最上川沿いを探検する「最上川200キロを歩く 小学生探検リレー」。河口付近にゴールする児童たち=2022年7月、酒田市

 本県の未来を担う子どもたちが最上川流域を歩きながら、歴史や文化、治水の大切さなどを学ぶ「最上川200キロを歩く 小学生探検リレー」を実施する。2003年から続く取り組みで、今年で20回目。各地の小学生が最上川への理解を深めながら、リレー方式で米沢市の源流域から酒田市の河口まで進む。

 これまで児童約4700人が参加。昨年は米沢市の源流域を出発点に、11週にわたり歩いた。川沿いの自然を満喫しながら、ダムや排水機場、最上川さみだれ大堰などさまざまな施設を見学。国土交通省の職員に洪水から街を守る工夫や利水の仕組みを教わり、土のう作りや水質検査などを体験した。最上川一帯を学びのフィールドとし、河川愛護の精神や郷土愛を醸成している。

 一連の取り組みは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)が掲げる「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさも守ろう」などにも通じている。

 今年も5~7月の毎週土曜日、計11週にわたり最上川流域を歩く予定。子どもたちは「ビッグフラッグ」をたすき代わりに引き継ぎながら、母なる川を大切にする心をつないでいく。

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県民健康講座
病気を知り長寿実現
身近な疾病について理解を深める県民健康講座=2022年7月、村山市民会館
身近な疾病について理解を深める県民健康講座=2022年7月、村山市民会館

 身近な病気や予防策について学び、健康寿命の延伸につなげる「県民健康講座」を今年も県内3カ所で開く。山形大医学部と県医師会から招いた医師2人がそれぞれ講演するほか、県看護協会による健康指導を実施する。毎回さまざまな病気について、分かりやすく紹介しており、健康な暮らしに役立つ情報を盛り込んでいる。

 山形新聞、山形放送は1993年から生活習慣病の克服を目指した「健康フォーラム」を開催してきた。県民健康講座は各種疾病を取り上げ、各地に会場を設定することで、広く県民が受講できるようにしている。昨年は新型コロナウイルスや心臓病、糖尿病、リウマチなど、関心の高いテーマを設定。検温や換気といった新型コロナウイルス対策に万全を期した。

 毎回、本県医療の中核を担う山形大医学部、地域医療を支える県医師会が1人ずつ講師を派遣。専門的な視点から最新の治療法や具体的な予防策などを解説する。県看護協会は、新型コロナの感染を防ぐ上で有効な手の洗い方を指導した。身近な疾病に関して理解を深める機会を提供し、健康長寿を実現するためのヒントを得てもらう。

子育て応援団すこやか2023
4年ぶり会場で開催
多彩な企画で構成した「子育て応援団すこやか2019」。子どもたちが新聞紙のプールで遊んだ=2019年、山形市・山形国際交流プラザ
多彩な企画で構成した「子育て応援団すこやか2019」。子どもたちが新聞紙のプールで遊んだ=2019年、山形市・山形国際交流プラザ

 安心して子育てできる環境づくりをテーマにしたイベント「子育て応援団すこやか2023」を6月24、25の両日、山形市の山形国際交流プラザで開く。新型コロナウイルスの影響で、過去3年は中止や山形放送のテレビ・ラジオ番組を中心に実施しており、会場での開催は4年ぶりとなる。

 県内の出生数は2021年に初めて6千人を割り込み、少子化対策の重要性は増すばかりだ。若い世代が出産や子育てに希望が持てるよう、支援の輪を広げるためには行政、民間、地域を挙げた取り組みが欠かせない。

 会場では、感染予防対策を徹底した上で、自治体や企業の子育て支援に関する展示、小児科医や歯科医、薬剤師による無料相談を行うほか、保育士を目指す学生たちが作った遊具の体験コーナーと工作教室を企画する。コロナ禍で孤立しがちな保護者たちの交流スペースも設置する。

 山形放送のテレビ番組、ウェブと連携して情報を発信する。多くの県民が参加できるイベント構成を通し、親子の触れ合いや親同士の情報交換を深めてもらうなど、子どもと子育てを応援する社会づくりに向けて、機運を高めていく。

ジュニアゴルフ大会
若年層の実力底上げ
県内の小中高生が練習の成果を競い、はつらつとプレーした第5回大会=2022年7月、村山市・さくらんぼカントリークラブ
県内の小中高生が練習の成果を競い、はつらつとプレーした第5回大会=2022年7月、村山市・さくらんぼカントリークラブ

 小中高生を対象とした「第6回山形新聞・山形放送杯ジュニアゴルフ大会」を今夏、山形市の蔵王カントリークラブで開催する。ジュニア層に競技の場を提供して健全育成や技術の向上を図るほか、本県ゴルフ界を担う選手の育成につなげる。

 一層の底辺拡大を目指して、第2回大会から8大事業に格上げした。昨年は県内各地から参加した次世代プレーヤー53人が相互交流を深めながら、はつらつとプレーした。

 今回も高校男女、中学男女、小学4~6年男女、小学1~3年男女の計8部門を設け、小学4年以上は18ホールのストロークプレー、小学1~3年は9ホールプレーとする予定。実行委員会の総会で事業概要を決定する。

 大会は、特別ゲストを招いている。これまで、日本男子ゴルフ界で一時代を築いた中嶋常幸さん、日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長と樋口久子顧問、東京五輪のゴルフ女子日本代表コーチを務めた服部道子さん、女子プロゴルファーの山崎千佳代さんが表彰式に出席。参加者を激励するとともに、プレーの心構えを説き、上達のこつをアドバイスした。

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